ST3施設が風力発電所用ジャケット基礎の持ち上げに モジュリフト天秤を活用
モジュリフトは、2つの大きな吊り天秤を準備して、ドイツとの北西国境に近いポーランドのシュチェチンで、ST3洋上専用波止場に停泊する船舶に、20基の風力発電所用ジャケット基礎を積み込む吊り具を完成させました。
このジャケット基礎はクックスハーフェンへ搬送され、最終的にはボーカムリフグランド2洋上風力発電所に設置されます。
これら2つの吊り天秤MOD400/600は、いずれも長さ8メートルで、シュミットバウアー社から採用された別のモジュリフトの吊り天秤800/1000の上方に、逆向きの構成で使用されました。
それらの吊り天秤はシャックルやデルタプレートを含むその他の吊り具と連結し、レールに装着さ れた高さ117メートル、容量1,400トンのガントリークレーンのフック下に吊り具を形成しました。
MOD400/600は、14メートルの長さであれば最大600トンまでの使用荷重に対応し、より低い使用荷重であれば、最大24メートルの長さのものまで提供できます。
一方MOD800/1000は、15メートルの長さであれば最大1,000トンまでの使用荷重に対応し、より低い使用荷重であれば、最大26メートルの長さのものまで提供できます。
ジャケット基礎の重量は1台700トンで、高さは52メートルです。
それらは一度に3台を輸送できる台船の上に、そのままの状態で持ち上げられます。
モジュリフト社の営業部長であるジョン・ベーカーは、次のように説明しました。
「上部2つの400/600天秤は、クレーンの4つの吊り上げ用フックを利用するために逆向き(上下逆さま)の構成で 使用され、下部のスリングがそれら吊り天秤の下の1,000トン用吊り天秤の両端一点に繋がるよう にしました。その下でも、2つのデルタプレートと水平スリングから垂直にぶら下がるスリングを各ジャケット基礎の上部に付けられた吊り具に繋ぎました。」
ベーカーは次のように付け加えました。
「モジュリフトの吊り天秤は負荷がかかると圧縮されるが別の吊り天秤は、加わる力は圧縮というよりむし ろ伸長方向なので、デルタプレート間の吊り具としてふさわしくなかったでしょう。
グロメットのワイヤロープは、デルタプレート間を結ぶスリングとして機能し、最下部のスリングを垂直にしてくれました。」
ST3の施設は接続部品、ジャケット基礎や洋上風 力の土台部品、及びその他の大型の構造物の製造のために特別に設計されています。
今回の場合ジャケット基礎は、構造物を固定するために使用される高さ10mの吸引バケツを使用して、目的地で組み立てられます。
圧力を下げるためにバケツ から水が汲み出され、土台の重量と合わさって構造物は海底に沈みます。
これを書いている時点では、積み出しの最初の段階が進行中です。プロジェクト期間中、吊り具は シュチェチンに留まります。
ドイツで最大の洋上発電所の1つであるボルクムでは、450メガワットの容量で、年間50万世帯近くに電力を供給すると予想されていますが、そこでの荷降ろしと設置は、異なる吊り上げ方法と吊り具を用いて対応されるでしょう。
ベーカーはこう締めくくりました。
「シュチェチンの現場で時間を過ごし、そこで素晴らしいチームと協力して、 このフックの下の用途について話し合えたことは興味深い経験でした。逆向きの解決法は、クレーンの4つのホイストを利用する効果的な方法であり、吊り具の下の方にあるデルタプレートの活用によって、さらにこの革新が実証されました。」
「私達は風力エネルギー部門からのより大きな需要を歓迎し続けており、 将来さらに多くの課題に対応することを楽しみにしています。」
●モジュラー式吊り天秤のお問い合わせは
モジュリフト日本代理店 中村工業株式会社
担当:春田
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