「ニューヨーク・ブルックリンの橋」②

前回に引き続き、ワイヤロープに関する部分を紹介させていただきます。
世界最大のロープ会社誕生
 最初のワイヤー・ロープが造られてから七年後の、1848年八月には、ローブリングはニュージャージー州のトレントンに、25エーカー(約3万坪強にあたる)の土地を求めて、そこで新工場の建設にとりかかっている。
 トレントンは、鉄道も敷かれ、運河もあり、水陸両方の便に恵まれたうえに、需要の多い東部に位置し、将来の発展が約束された理想の場所であった。
 新工場の建設に際しては、建屋も、機械も、そのほとんどすべてを、ローブリングは自分で設計し、図面まで描いた。
(中略)
 操業初年度の工場の規模については、幸い翌1850年に実施された、アメリカの第7回国勢調査からうかがい知ることができる。
 投下された資本の総額は、土地や機械の一切を含めて約2万ドル。動力源としては蒸気が使用され、2基の溶鉱炉(キューポラ)も備えつけられていた。従業員は男ばかりが20名、年間約300トンの鉄と、400トンの石炭を消費して、250トンのワイヤー・ロープを製造し、4万1000ドルの売上げをあげている。
 それは、まだ小さな、手工業的な域を出ない工場にすぎなかったが、しかし、この工場が、将来彼の息子の代には、8000人の従業員を擁し、年に数百万ドルの生産高を誇る、アメリカ随一の、したがって、世界最大のロープ会社となるのである。
ニューヨーク・ブルックリンの橋/川田 史樹(著)より抜粋
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この本は橋梁建設会社の川田工業㈱元社長が書かれたものです。
これからも世界に誇る吊り橋を作ってほしいと思います。
ちなみに吊り橋に使われるケーブルは東京製綱で製作されております。
■関連ページ
川田工業㈱
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Wikipedia「吊り橋」
ジョン・ローブリングについてはこちらを参照してください。
http://www.inventionfactory.com/history/index.html
http://www.uh.edu/engines/epi87.htm
http://www.cincinnati-transit.net/suspension.html

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