「ワイヤロープ取替基準の断線数について」の回答
Q:ワイヤロープの取替基準に、1ピッチ間の断線数がありますが、下記の様に各書物で違いがあるのですが、どう考えれば良いのでしょうか?
6×24の場合、1ピッチの間に14本以上断線しているものは廃棄
(計算式:6×24×0.1=14.4)
IWRC 6×WS(36)の場合、1ピッチの間に21本以上断線しているものは廃棄
(計算式:6×36×0.1=21.6)
これは中村工業のホームページでも同じで、私もこの考えで合ってると思ってました。
玉掛け索の正しい取り扱い方(日本鋼索工業会監修)
ワイヤロープの構成:可視断線数(点検範囲:6d)
6×24:9
6×37:10
IWRC 6×Fi(25):5
IWRC 6×Fi(29):6
IWRC 6×{IWRC 6×S(19)}:8
7×{IWRC 6×WS(36)}:12
ワイヤロープの手配指針・廃棄基準(線材製品協会/ワイヤロープ分科会)
ワイヤロープの構成:可視断線数(点検範囲)
6×7クラス:2
6×19クラス(IWRC含む):3
6×37クラス(IWRC含む):5
ちょっと計算が合わないので、数字の裏付けを教えてください。
宜しくお願い致します。
A:「JIS B ワイヤロープスリング」の点検、廃棄基準は下記のとおりです。
断線
点検の種類:日常点検・定期点検
素線が、ロープ1よりの間において最外層ストランド中の総素線数の10%以上断線しているもの、又はロープ5より間において20%以上断線しているもの。
(注)断線は、手で折り曲げて切除しておくのがよい。
ニップ断線(谷切れ部)の場合は、1本でも断線があれば廃棄。
クラウン断線(山切れ)●部
ニップ断線(谷切れ)●部
ストランドの内部断線を目視点検で確認することは困難なため、「玉掛索の正しい取扱い方」には「可視断線数」として、ワイヤロープの構成別に可視断線数を明記しています。
クラウン断線(山切れ)の場合:
ロープ径(d)の6倍(約1ピッチ)の範囲内の断線を数え、使用されているワイヤロープの構成を確認して、下表の断線数以上あるもの。
ワイヤロープの構成:可視断線数(点検範囲:6d)
6×24:9
6×37:10
IWRC 6×Fi(25):5
IWRC 6×Fi(29):6
IWRC 6×{IWRC 6×S(19)}:8
7×{IWRC 6×WS(36)}:12
ニップ断線(谷切れ)の場合:
1本でもあるもの。
この数値はISOを基準にして、JISとクレーン協会で取り決めたものです。
「ワイヤロープの手配指針/廃棄基準」の補足
6×7クラス:6×S(19)、6×W(19)
6×19クラス(IWRC含む):6×Fi(21)、6×Fi(25)、6×WS(26)
6×37クラス(IWRC含む):6×Fi(29)、6×WS(31)、6×WS(36)