【2017/3/3更新】「斜め吊りの張力について」の回答

Q:これは、「斜め吊り」だったでしょうか?。
柱の斜材や、配管(直で重心位置がセンター)をチェンブロック2点つりし、片側のチェンブロックを緩め、品物を斜めにして、取り付ける場合。2点それぞれのつり具ロープにかかる張力は、違うのでしょうか?。
私は、「つり角度が小さくなるから条件は良くなる。」と主張しましたが、客と上司が、「上のロープが切れる。」と言い、私は、会社を辞めました。もう昔の話ですが、今も納得できません。

A:重心が真ん中にある荷物に対し、左右で異なる長さのロープで吊ることは禁止されています。
左右で長さが異なるロープを使用する場合は、荷物の形状が左右対称でなく、重心位置が中心にない場合のみです。

参考までに極端な場合の荷重バランスを計算してみます。
例として、下図の長さ配置の場合、重心は必ずつり荷の真下にくるため、つった形状は下図のようになります。

結論としては、長い方のロープにより大きな荷重が掛かります
このようなつり方については、名称はありません。
「斜めつり」は、天上クレーン等で荷物をフックの真下から離れた位置からつり上げる場合に使います。

【2017年3月3日 更新】

Q:ご回答ありがとうございました。
でもやはり、張力はこちら(短い方のロープ:T2)だと思います。

A:質問者は鉛直方向の荷重成分との釣合いしか考えておらず、荷物(剛体)を縮める方向の成分(言い換えると左右のロープ張力の水平成分)が等しく存在する事を忘れています。その合力がロープ張力となる為、長いロープの方が高くなる事で正解です

会社を辞めた彼が言う「角度が小さくなるから条件が良くなる」と言う意見もロープにかかる余分な水平分力が小さくなるという意味で間違いではないが、どちらのロープの張力が高いかという議論とは論点が違っています。
質問者と上司と客は間違っています。

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