City Lifting社とモジュリフト社による ロンドン空港の航空管制塔の吊り上げ
多くの複雑な吊り上げの中の、記憶に新しいプロジェクトの一つで、レンタル会社であるCity Lifting社は、ロンドンシティ空港の最新鋭のデジタル航空管制塔を建てる際、クレーン数台や吊り具等を使用しました。
プロジェクト最終段階では、Liebherr 社の能力450tのLTM1450-8.1 クレーンが使用され、各15.5t(総重量17.7t)、面積6m2、高さ9mの4つのパーツが吊り上げられ、組み立てられました。
それらは、空港に立つ高さ50mを超える鉄塔のパーツです。この吊り上げに不可欠だったのは、中央にモジュリフトのCMOD角天秤4.5m×4.5mが1台と、その下に配置した長さ2.2mの吊り天秤4台で、8点吊りの構成でした。このような角天秤は、2点以上の吊り上げ箇所のある吊り荷に推奨されます。MOD24のストラットを4つのコーナーユニットで組み合わせ、角天秤が組み立てられました。
この吊り上げには、様々な箇所でエンドレスタイプの繊維スリングが使用されました。能力10tで6mのスリングが4本、クレーンフックのすぐ下に使われ、角天秤の下には能力5tで長さ2mのスリングが8本、また、MOD12の下には能力5tで3mの長さのスリングが同じく8本垂直に繋がれました。また、8個の6.5tバウシャックルが、吊り具と、能力3t長さ1mのエンドレススリングを繫ぎ、その下に鉄塔のパーツを繋ぐ際、その部分のスリングは、二重に巻かれました。
City Lifting社の吊り上げ契約マネージャーのSimon Courtney氏によると、
「このプロジェクトの中で最も課題となったのは、吊り具の吊り荷への取り付けでした。吊り上げは水上高くで行われるものだった為、高所作業用吊り腰掛を使用してしか吊り上げ箇所に繋ぐことができず、プロジェクトを通して多くの計画が必要となりました。CMOD角天秤は、当初クレーンフックに直接繋がれていましたが、土壇場での鉄塔設計者との話し合いで、その鉄塔の中心を支える為に、更に吊り上げが複雑になったのです。」
Courtney氏の説明によると、結局、4点追加で12点吊りとなりました。追加されたのは下記です。フックの下に5tのエンドレススリングが1本、その下に能力10tのチェーン滑車が繋がれ、その下には、能力6.7t長さ6mのチェーンスリングが4本繋がれました。チェーンスリングは、8点吊りの角天秤に力が掛かった時に、クラッチで長さを調整することができます。チェーンスリングの下には、長さ1m、能力3tのエンドレススリング4本が繋がれました。エンドレススリングは、今度は塔の中心部辺りに、同じく取付箇所を二重に巻いて取り付けられました。
実際には、City Lifting社のこのプロジェクトに関する業務は、最終的な組み立て段階の遥か前から始まっていました。
NATS Holdings社 (旧 National Air Traffic Services社)のために業務を行っているBuckingham Group Contracting社は、City Lifting社のCourtney氏らに次の作業を依頼していました。70tクレーンを使用し、塔のパーツを組み立て、それらを、350tのLiebherr 社LTM1350-6.1クレーンを使ってはしけに置き、前述の大きなLiebherr 社のクレーンを用いて現場で組み立てを完成させることです。
Courtney氏が言うには、
「これは本当に、最初から最後まで複雑なプロジェクトでした。450tクレーンの隣にはGrove社の 300t クレーンがあり、仮に高所作業車が壊れたとしたら、80mのブームを使用し、高所作業用腰掛を用いて、大型クレーンの上まで届くことが可能でした。350t クレーンの隣には、高所作業用腰掛を用いた作業を行う220t のDemag社のクレーンがあり、水上で最大半径40mまで届くものでした。」
モジュリフト社の販売部長John Baker氏によると、
「このプロジェクトはモジュリフトのCMOD角天秤の新たな使用例となりました。この売れ筋の製品がこのような吊り上げにおいて、なぜ頼りにされるのかという理由が一目瞭然です。適応力、軽量な設計、世界的に入手可能であることが、クレーンレンタル企業にとってもエンドユーザーにとっても、完璧だからです。」
●モジュラー式吊り天秤のお問い合わせ
モジュリフト日本代理店
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