「4本吊り安全荷重変更について」の回答
Q:『安全荷重表』の部分において4本4点つり及び2本4点あだ巻きつりの場合は、3本として安全荷重を計算するとありますが、他のワイヤーメーカーも含めて安全荷重の考え方が御社のパターン(安全荷重が低負荷になり安全方向に振っている)と旧式のパターン?が存在するように思えます。もしお手が空いた時によろしければ御社の見解をお聞かせ頂けると幸いでございます。よろしくお願い申し上げます。
A:よく聞かれる質問で、メールマガジンの第1号でもこの件についてまとめたのですが、現在では、4本4点つり及び2本4点あだ巻きつりの場合は、3本として安全荷重を計算いたします。
以前は4本4点つりをした場合に4本均等に力がかかる計算で算出されていますが、実際は3本には力はかかるが、4本均等に力がかかりにくいため、安全をみて3本つりで計算するように改められました。
このことは、『JIS B 8817-1991 ワイヤロープスリング』やISOでも規定されています。
業界またはメーカー等が出している安全荷重表もそれにしたがって全て変更されています。
一部関係部分を抜粋しておきますので、周知徹底を図り、玉掛けに関連する労働災害防止の一層の推進を図られますようよろしくお願いします。
『JIS B 8817-1991 ワイヤロープスリング』より
ロープスリングの使用荷重(付属書2)
2本形以上のロープスリングは、つり角度によって使用荷重を変えなければならない。モード係数は、ロープスリングが2本つりの場合は2cosβである。3本つりと4本つりは、ISOと同様に使用荷重は同一で、モード係数は3cosβである。
付属書2表1~4
モード係数は、次による。
つり本数2本の場合 2×cosβ
つり本数3本及び4本の場合 3×cosβ
『JIS B 8817-1991 ワイヤロープスリング』は日本規格協会より一部1,030円(消費税込み)で購入できます。
『玉掛け作業の安全に係るガイドラインの策定について』より
4点つりは、荷重の均等がし難いため、4点つり作業でも3本つりの選定で行う必要がある。
『玉掛け作業の安全に係るガイドラインの解説』の冊子は、日本クレーン協会より一部800円で販売しています。
『ポケット安全荷重表』は全日本ロープ加工組合連合会より一部200円(消費税込み 送料実費)で購入できます。
(ホームページでサンプルを見ることができます)