「フィラー形とウォーリントンシール形の違いについて」の回答
Q:フィラー形とウォーリントンシール形の、メリット・デメリットをそれぞれ教えていただいないでしょうか。
A:ストランドの断面図は下図を参照してください。
耐疲労性、曲げ易さ共にウォーリントンシールのほうが高性能です。
フィラーは内層の素線が太いため内層から損傷しやすく、点検が困難なのに対して、ウォーリントンシールはこの問題をクリアし、外層から損傷しやすいため、点検が容易です。
クレーン用ワイヤロープはウォーリントンシールタイプに変わりつつあるのが現状です。
フィラー:内部損傷先行型
ウォーリントンシール:外部損傷先行型
下記は東京製綱「ワイヤロープ」からの抜粋です。
フィラー形(Filler)
各層の素線数は1+n+(n)+2nのように表され、外層素線数を内層素線数の2倍とし、内外層の隙間に内層素線と同数の細いフィラー線が充填されています。
このフィラー形ロープは、柔軟性、耐疲労性、耐摩耗性のバランスが良く、平行よりロープのうちで最も広範囲に使用されています。
ウォーリントンシール形(Warrington Seale)
ウォーリントン形とシール形とを組み合わせたもので、耐疲労性が非常に優れ、また柔軟性に富み更に耐摩耗性にも優れているため、用途は広範囲にわたっています。
図:平行よりロープのストランド断面例