「アイスプライスの端末で切断する理由について」の回答
Q:アイスプライスの端末で切断する理由が応力が働く、だそうですが引張り応力でいいのでしょうか?それともワイヤーが絞られる際に圧縮応力が働くのでしょうか?わかりやすく教えてください。
A:アイスプライス(手編み加工)は”ヒゲ”部分に応力が集中して破断します。
1.断面形状の変化(加工部が太くなるため、ヒゲ部分に段差が出来る)
2.ロープの回転(ロープが回転しヒゲ部に応力が集中:ねじり応力)
3.編み込むことで、素線やストランドのバランスが崩れる
以上がスプライスのヒゲ部(下写真の矢印部分)に集中し、破断する。
ロック加工は素管の”口元”に応力が集中して破断します。
1.断面形状の変化(素管内部のロープが圧縮され、バランスが崩れる)
2.圧縮により素線に圧痕が生じる
3.ロープの回転(ロープが回転し口元に応力が集中:ねじり応力)
4.素管とロープ本体の中心のズレによる曲げと素管のエッジ効果
以上が素管の口元(下写真の矢印部分)に集中し、破断する。
写真上:ロック 下:スプライス(手編み/巻差し)
■参考リンク
「ワイヤロープの端末止めの効率について」の回答