8月20日(火) FM大阪 Realize!(16:00>>>17:43)
○:DJ 森祐子さん
●:中村哲也
【オープニング】
○4時40分頃からのリアルトーク、今日もお仕事で頑張っている方のお話をお届けしましょう。
大正区でワイヤロープの加工業を営む中村工業株式会社から、代表取締役社長の中村哲也さんとのお話です。
大正区で来年50周年を迎えられるそうです。
ワイヤロープの加工をね、ずーっとしてらっしゃる会社ということなんですが、私たちの生活の中にけっこうあります!おっきいのから、ちっちゃいのから、いっぱいあります。
はたしてどういうところで、どんな風に使われているんでしょうか、そしてまぁどうやって出来上がってくるのか、なかなか難し話なのでそう込み入ったことはお伺いはしておりませんが、なんとなぁくみなさんの生活の中で、あっそっか、こういうところにいろんな技術が息づいているんだなっていうのを感じてもらえたら嬉しいなぁと思います。
お話楽しみにしていてください。
【リアルトーク】
○FM大阪のスタジオから森祐子がお送りしています Realize!
この時間はリアルトークです。
今日は大正区にあります中村工業株式会社から代表取締役社長の中村哲也さんをお迎えしています。
よろしくお願いします。
●大阪の大正区でワイヤロープを加工・販売しております、中村工業の中村哲也と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○ワイヤロープの加工をしていらっしゃる会社ということなんですが、なかなかとはいうものの、リスナーさんもどんな感じかなぁってイメージがねすぐにはわかないと思うんです。
簡単に中村工業さんがどんなものを作ってるのかっていうのを教えていただけますか?
●まずワイヤロープの説明からしたほうがいいかなと思います。
簡単にいいますと一本のワイヤーの素線、これを複数本より合わせたものをストランドっていうんですけど、このストランドをさらにより合わせたものがワイヤロープなんですね、このワイヤロープの端末を輪っかにアイ加工したり、手で編み込んだり機械でプレス加工したりするのが我々の仕事になります。
○1本のワイヤーっていうところまではワイヤーを作る工場さんがされて、そこから輪っかにしたり?
●そうですね、ワイヤロープも何らかの加工をしないと使えないんで、ワイヤロープの端末をですね、アイ加工っていうんですけど、フックに掛けれるようにアイを作ったりですね…
○アイっていうのは?実は今日、スタジオにもあるんですが・・
●ワイヤロープの端末をですね、
○端っこのところ
●ループ状に加工してですね、クレーンのフックなんかに掛けれるようにしまして、重量物をつり上げたり、引っ張ったり、固定したりと、そういったことが出来るようにする加工をアイ加工っていうんです。
○私たちの生活の中にもけっこういろんな所に使われていると思うんですが、例えばどんなものがありますかねぇ?
●例えばですね、明石海峡大橋なんかに使われている吊り橋なんかもそうですし、ロープウェイやケーブルカー、また身近なところではエレベーターやクレーンなどにワイヤロープが使われております。
○普段こう目にするものであり、実際に使うものであり、それそのものが表だって目立ったりとか見えたりということは少ないかもしれないんですが、いろんなところで影で支えてくれてる、そんな存在ですよね。
●そうですね、表にはあんまり出ないんですけども、縁の下の力持ち的な存在だと思います。
○先ほど産業の命綱っておっしゃってたんですけど、まさにそういうことですよね。
●そうです。
○つなぐ役割をしたり、何かを守る役割をしたり、いろんなところで活躍をしているワイヤロープなんですが、もうちょっと実際どんなものかなぁって、知りたいなぁと思ったら中村工業さんのホームページを見ていただくといいかなと思うんです。
けっこうウェブにも力を入れてらっしゃいますよね。
●中村工業では1997年からホームページを立ち上げておりまして、業界で一番閲覧数の多いホームページとして好評をいただいております。
ホームページを見てご注文をいただくことも多くて、これまでにアメリカのイージス艦や、フランスの企業など、海外からもオーダーをいただいております。
○それはやっぱウェブならではですよね、日本だけじゃなくて、国外、海外からもアクセスがあったというのはすごいですね、ウェブを見て電話とかしてくるんですか?
●もちろん電話もそうなんですけども、メールなんかが多いです。
○あ〜そうですよねぇ。
普段でいうとどうなんでしょう、取引先っていうのは日本国内、関西が多かったりするんですかねぇ?
●取引先としましては、日本では北海道から沖縄まで、全国的にお客さんはあるんですけども。
○ワイヤロープの加工って実は大阪がとっても盛んだというのはリスナーのみなさんご存知だったでしょうか?私は初めて知ったんですが、けっこう多いんですってねぇ。
●ええ、大阪がワイヤロープ加工の本場でですね、ワイヤロープの加工業者なんかも日本で一番多いです。
○ん〜、大正区のあの辺りっていうのも割とね、工場であったり、そういうものづくりをされているところが多かったりしますものね。
●そうですね、大正区っていうところは町工場が多いところでですね、うちも来年で50周年になるんですけども。
○中村さんのお父様の代からされてるんですよね。
●そうです。
○なんでワイヤロープだったんでしょうね?そんな話を先代とされたことはあるんですか?
●うちの親父から聞きますと、鹿児島から中学を卒業して就職列車で大阪に来まして、いろんな職を転々としてワイヤロープと出会ったと、これが自分の天職だということでワイヤロープの加工を始めたと聞いております。
○それを今の中村哲也社長に受け継がれているということなんですが、中村工業さんで加工しているロープの特長ってどういうところにあるんですかね?
●中村工業では国家資格であるロープ加工技能士が10名以上在籍しておりまして、高品質なワイヤロープ製品を短納期で提供することが可能です。
主に玉掛索というモノをつるためのワイヤロープを製作しておりまして、来年で創業50周年になります。
○先ほどお話していただきましたアイ加工のタマカケサクというものなんですが、ロープ加工技能士という方が10名以上いらっしゃるということなんですけど、試験けっこう難しいんですかねぇ?
●学科試験と実技試験がありまして、かなり勉強しないと受からない試験になっております。
○何級とか分かれてるんですか?
●二級と一級がございまして、学科試験の内容も一級はちょっと難しかったりですね、実技試験なんかも二級は両アイ加工、単純な玉掛索ですね、これが作れればいいんですけども、一級になりますとワイヤロープでできたネット、ワイヤもっこというんですけども、これを製作できないと一級にはなれないと。
○より高度な技術がやっぱり求められるわけですよね。
●はいそうです。
○中村さん自身も一級の資格をお持ちだということなんですが、今もやっぱり現場に立たれて実際作ることもされてたりするんですか?
●今は現場の若い子が一生懸命頑張ってくれてますので、私はあんまり現場に出ることはなくなったんですけども、昔は10年ぐらいは現場で頑張っておりました。
○今若い世代の方っていうのは何歳ぐらいの方が働いてらっしゃるんですか?
●一番若い子は22歳ですね。
○あら!
●上は60歳ぐらいまで。
○そうなんですね。
●うまい具合に幅広くやっております。
○でも若い方にそうやって技術を伝えていくのって、いくらその国家資格っていうのがあったとしても、なかなか難しいことなんじゃないかなぁって思うんですが、そのあたりはいかがですか?
●若い子が入ってくると、現場でベテランの仕事を見たりして、背中を見てですね技術を覚えていくというようなカタチで、みんな一生懸命やってくれてるんで、これから期待できる若い子がたくさんいます。
○厳しい現場なんじゃないですか?やっぱり、ねぇ。
●3K職場なんで、夏は暑いですし、大変ですけど、これがみなさんのお役に立ってるということで、みんなで頑張っております。
○やっぱり技術を持ってして、そういう方でないと携わることを許されない、だって本当に私たちの生活の中にあるものって命を守るものでもありますよね。
●安全には十分気をつけて加工しております。
○どうでしょう、これまでお仕事をとおして中村さんご自身が感じたこととか、転機になったいろんな出会いとかあればぜひ教えていただきたいんですが。
●このロープの仕事をとおして国内や海外のロープメーカー、ユーザー、同業者の方と出会ってつながりができたんですけど、この人とのつながりが私の財産になっていると思います。
○たとえばどんなつながりですか?先ほど海外から注文もあってというお話もありましたが。
●去年なんかフランスの方から注文をいただきまして、それがきっかけで今年はフランスのほうにも営業を兼ねて行ったりもしましたし、中国や台湾や韓国、そういう所にも仕事を通じて行ったり、逆に来られたりと、出会いを通じて仕事にもつながっていると。
○海外でのその日本の技術の評価っていうのはどうなんですか?
●やはり日本のワイヤロープっていうのは海外でも認められておりまして、エレベーターだとか、そういった重要な部分ではですね、けっこう日本のロープも使われております。
○それがその日本の中の大阪で盛んであって、大阪というか、関西っていう認識というものは海外の方にあったりするもんなんですかねぇ?
●海外の方には関西も東京も無いと思うんですけど(笑)
○あ、そうですかハハハ(笑)
○中村さんご自身がこういうものづくりをするお仕事をされてる中で、一番大事にされてることってどんなことですか?
●やはり我々はワイヤロープというものを扱っておりますので、安全がやっぱり第一です。社員の安全、またユーザーの安全を第一に考えて、そういったものづくりをこれからもしていきたいなと思っております。
○やっぱりいろんな可能性があると思うんですよね、新しい技術っていうのもどんどんチャレンジされていくんだと思うんですが、今なんかこんなこと出来たらいいよねぇって、こう試みていらっしゃることとか、これからこんなものが出来たらいいのになぁって思い描いてることってあったりするんですか?
●やはり今あるものよりさらに優れたワイヤロープであったり、ワイヤロープの加工っていうものを研究して、開発していきたいなと思っております。
○では最後に、今後の中村さんの夢をぜひ教えてください。
●産業の命綱であるワイヤロープを、より安全に安心してお客さんに使っていただけるように、今後も技術を磨いて、ワイヤロープ加工を極めていきたいなと考えております。
○これからも大正区でものづくりの何かを発信する人としてね、こういろんな思いも込めて伝えていってほしいなぁって思います。
今日はありがとうございました。
○FM大阪Realize、リアルトーク、今日は中村工業株式会社、代表取締役社長の中村哲也さんにお話をお伺いしました。
ありがとうございました。
●ありがとうございました。