2020.4.27:Lifesに掲載されました
大正区・西区・港区・大阪西武エリアで配布されているフリーペーパー「Lifes」に掲載されました。
ここで働く。
大阪市西部エリアで“働く男”をご紹介。
東洋のマンチェスターと呼ばれる大正区で長きにわたりワイヤロープ業界のトップを走る中村工業の二代目。
中村哲也さんの登場です。
中村哲也
中村工業株式会社 代表取締役社長
産業の命綱と言われるワイヤロープひと筋の人生。
大正区だからこそのものづくりの環境をもっと活かしたいです。
鹿児島から集団就職で大阪に働きに出てきた親父が、1964年に創業しまして、今年で56年を迎えました。私は2009年に先代から引き継ぎ、社長に就任致しました。
親父と同じ、ワイヤロープ業界ひと筋です。高校を卒業して、東京製綱に2年間お世話になりました。
親父が汗水流して働く姿を見て、改めて親父ってすごいなぁと思いました。おかげさんで創業当時から50年間営業せずに口コミだけでずっと忙しくさせてもらって、それもこれも親父がロープに真摯に向き合い、技術を向上させて、信用も信頼も育んできたからやなぁと。なんかあったら中村工業に相談したらええって感じで今も周りから声をかけてもらってるので、私もその声にお応えしないといけないと思ってます。
今の会社に戻ってからも再度、東京製綱から呼ばれてまた再入社しまして、その時に開発したのが主カ商品の一つであるハイクロスロープです。よそと同じもんばっかり売ってても結局は価格だけの勝負になってくるから、差別化をはからないといけない。するとオリジナル、オンリーワンを作らないとということで、束ねるワイヤーの一本一本を極限まで強度を高めたら、さらに強いワイヤロープができるはず。そうすれば軽量化も兼ね備えた次世代の製品ができると提案し、試行錯誤しながら生まれたもんです。もちろんそんなん無理やっていう意見もありましたけど、かつて親父もあれこれ考えながら働いてる姿を見てますんで、私もやってみなわからんということで通しました。その結果、ユーザーから好評を頂いて
大ヒット商品になりました。
大正区はものづくりに向いてると思います。立地条件にしろ、流通にしても、もの
を生み出す環境が昔から整ってます。特にウチの周辺は、そんなに人通りも多くないですから朝からロープを引っ張っても、大きなトラックが入ってきても大丈夫。違うものを作ってる工場同士が切磋琢磨したり、協カし合えたりもする。それでまた新しいもんが生まれるアイデアが転がってたりする。もちろん現状のままではダメだと思います。いつかはこの業界も先細りするかもしれない。そのために大正区と組んで、一般の人が工場を見学出来るオープンファクトリーや、職業体験が出来るインターンシップを行ったり、若い人を育てていくシステムを作っていこうとしてます。自分が生まれ育ったとこですから、ここから世界に発信できるワイヤロープを作っていきたいし、ものづくりの街として、もっと大正区をアピールできたらなぁと思ってます。