ワイヤロープの歴史
西暦 | 日本年号 | 適用 |
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12000〜9000BC | 皮、毛または植物繊維からロープが作られたロープは、人類の文明が最初に創り出したものの一つである | |
9000〜3000BC | フィンランドで石器時代のものと思われるロープの遺物が見つかる | |
2000BC | エジプトの壁画に、パピルス、皮またはヤシの繊維でロープを創る様子が描かれている | |
13世紀 | 北条時代 | 針金鍛冶(ワイヤスミス)、金、銀、青銅のワイヤを槌打ちでつくる |
1270 | 文永7 | パリ市と線引屋組合との協定書 |
14世紀 | 吉野朝時代 | 伸線ダイスを用い水力でワイヤ製造 (独、 Lenne 地区) |
15世紀 | 戦国時代 | 伊、レオナルド・ダ・ビンチの金属製ロープについての記述 |
1644 | 正保1 | 独、Danzig の要塞築造の搬土用に鉄線ロープの使用 |
1689 | 元禄2 | 英、ダムビーブの著書にマニラ麻ロープの記述 |
1740 | 元分5 | 坩堝製鋼法の発明 (英、B. Huntsman) |
1750- | サイザル麻ロープの使用 | |
1750 | 寛延3 | 独、ロープ会社 Felten Guilleaume 設立 |
1760 | 宝暦10 | ロイド船級協会創立 |
1771 | 明和8 | 回転式蒸気機関の発明 (英、James Watt) |
1780- | 避雷ロープの製作 (仏の Regnier、ジュネーブの Saussure) | |
1781 | 天明1 | ロイド法的に承認される |
1783 | 天明3 | サイザル麻ロープがスペイン海軍に採用された記録 |
1784 | 天明4 | パドル製鋼法の発明 (英, ヘンリーコート) |
1792 | 寛政4 | 英、Cartwright が麻ロープ製造機の特許 |
1798 | 寛政10 | 英、Hancock が金属製ロープを製作 |
1818 | 文政1 | 独、Westphalia の鉱山で、鉄線ロープを用いて重い荷を運搬 |
1818 | 文政1 | 仏、Lyons の近くの炭坑で鉄線ロープを使用 |
1821 | 文政4 | Geneva のつり橋に鉄線ロープを使用 |
1822 | 文政5 | スウェーデンの炭坑で鉄線ロープを使用 |
1824 | 文政7 | オーストリア、Mitis が256本線のロープを用いてつり橋を架ける実験 |
1830 | 天保1 | 英、Wool Wich 造船所の George Wright Binks が鉄線ロープの実験 |
1830 | 天保1 | 英、Derby のJ.B. Wilson と Lancashire のHaydock が炭坑用ロープを製作 |
1831 | 天保2 | 独、SachsenのHalsbrückeで、45本線のロープをつくり試験的に使用 |
1833 | 天保4 | 独、Carl Anton Henschel が、「鉄線ロープ索引の応用」 という小冊子を出版 |
1834 | 天保5 | 独、Clausthal のW. A. J. Albert が鉄線で3×4構成のロープをつくり、Caroline 坑の立坑に使用して成功 |
1835 | 天保6 | Albert がロープの実験報告と製造法を発表 |
1835 | 天保6 | G. W. Binks が麻ロープの機械を用いて、4×43構成のロープを製作 |
1835 | 天保6 | 独、Freiburg のつり橋に鉄線を束ねたロープを使用 |
1838 | 天保9 | 英、Newall がワイヤロープ用製綱機の特許 |
1838 | 天保9 | 英、Brenner がロープに関する論文をNew Castle で発表 |
1840 | 天保11 | Newall が製綱機を改良し,特許をとる |
1840 | 天保11 | 英、アーギバルとスミスがワイヤロープ専用機を発明し、ロープ製造を開始 |
1843 | 天保14 | ワイヤの寸法にミルス(mils)を採用 |
1844 | 弘化1 | William Bullivant が船舶用柔軟ロープを発明 |
1844 | 弘化1 | 当時のロープ製造業社は、Stephenson、Wilkins、Weatherley、Elliot、Peter Haggie など |
1854 | 安政1 | パテンティングの発明とピアノ線の製造 (James Horsfoll) |
1855 | 安政2 | 酸性転炉製鋼法の発明 (英, Henry Bessemer) |
1861 | 文九1 | 平炉製鋼法の発明 (英、Siemens と仏、Martin) |
1861 | 文九1 | 独、F. Reuleaux のワイヤ応力の式の提案 |
1862 | 文九2 | 連続圧延装置開発 (ライランド会社の George Bedson) |
1865 | 元治2 | 横須賀製鉄所内でフランス海軍技術ヴェルニーによる麻ロープの製造 |
-1869 | ウォーリントンストランドのスケッチ記録(ジョン・ローブリング) | |
1874 | 明治7 | ミリメータ ワイヤ ゲージをドイツで使用 |
1876 | 明治9 | ヤハズよりロープの考案 (Newall) |
1876 | 明治9 | ロックドコイルロープの考案 (Reddish の Atlas Rope の F. W. Scott) |
1877 | 明治10 | 塩基性転炉製鋼法の発明 (英、Sydney Thomas) |
1879 | 明治12 | ラングよりの特許 (英、John Lang) |
1879 | 明治12 | フラットロープの考案 (英、Glasgow のA.Rowart Co.) |
1880 | 明治13 | 蒸気農耕機用ラングよりロープの製造 (G. Cradock) |
1881 | 明治14 | 独、C. von Bach が Reuleaux のワイヤ応力式の修正を提案 |
1883 | 明治16 | ニューヨーク、ブルックリンつり橋の完成 (平行線ケーブル) |
1884 | 明治17 | 英、SWG (Imperial Standard Wire Gauge) の制度化 |
1884 | 明治17 | トム・シールが「平行よりストランド」を発明 (トム・シール) |
1884 | 明治17 | ロックドコイルロープの製造 (Latch & Batchelor 会社) |
1885 | 明治18 | シールストランドの特許 (トム・シール) |
1885 | 明治18 | 連続伸線機の発明 (S. H. Bryne) |
1887 | 明治20 | 日本最初のロープ会社、東京製鋼(株)の設立 |
1888 | 明治21 | 三角ストランドロープの製造 (Latch & Batchelor 会社) |
1884〜1890 | 明治17〜23 | ウォーリントン形ロープの開発 (発明者不明) |
1890(1889?) | 明治23 | フィラー形ロープの考案と特許 (J. B. Stone) |
1891 | 明治24 | シール形ロープの使用開始 (米) |
1891 | 明治24 | 金属螺旋心入りロープの考案 (Hudson) |
1891 | 明治24 | 架空静索用多層スパイラルロープの発明 (J. Bulmer) |
1891 | 明治24 | ロックドコイルより線機の考案 (J. Bulmer) |
1891 | 明治24 | Smith 社が大型竪形製綱機を増設、アルバートよりロープ(ラングよりと同一)を製造 |
1891 | 明治24 | 当時の代表的ワイヤロープ会社、Cradock & Co., Bullivant & Co. など |
1897 | 明治30 | 東京製綱でワイヤロープの製造開始 |
1898 | 明治31 | 電気炉製鋼法の発明 (伊, スタッサノ) |
1898 | 明治31 | 不反発よりロープ (tru-lay) の考案 |
1903 | 明治36 | 独、Bochum にワイヤロープの試験所設立 |
1909 | 明治42 | 非自転性ロープとして、だ円ストランドロープの考案 (Newall と Skelton) |
1912 | 明治45 | 関西製綱(株)設立、麻ロープ製造を開始 |
1915 | 大正4 | 独、G. Benoit,R. Woernle が Reuleaux の式の正しさを証明 |
1918 | 大正7 | 関西製綱でワイヤロープの製造開始 |
1918 | 大正7 | 英、炭坑巻上用丸およびフラット形ロープの標準規格制定 |
1927 | 昭和2 | 英、炭坑巻上用ロープ標準規格 BS 300制定 |
1929 | 昭和4 | JES 104号、船舶用めっき鋼索規格制定 |
1934 | 昭和9 | JES 281号、鉱山巻上、エンドレス巻、索道、さく井用などの裸鋼索規格制定 |
1936 | 昭和11 | スチールタイヤ開発 (仏、Michelin) |
1937 | 昭和12 | JES 409号、船舶、機械、鉱山、索道、さく井用など総合鋼索規格制定 |
1942 | 昭和17 | ロック加工を発明 (独、ハンス・マイゼン) |
1950 | 昭和25 | JIS G 3525、ワイヤロープ規格制定 |
1950 | 昭和25 | 日本工業規格表示許可制度 |
1951 | 昭和26 | このころ超硬合金ダイスが叩きダイスにとってかわる |
1953 | 昭和28 | JIS G 3525改訂、ロープ径基準、級別を種別に変更 |
1954 | 昭和29 | JIS G 3535、航空機用ワイヤロープ規格制定 |
1956 | 昭和31 | 東洋製鋼(現 東京製綱)がタルリット社と提携し、「トヨロック」販売開始 |
1959 | 昭和34 | 日本、道路にガードロープの使用開始 |
1960 | 昭和35 | JIS G 3536、PC鋼線及び鋼より線規格制定 |
1962 | 昭和37 | 北九州、若戸大橋竣工(日本初の長大つり橋) |
1962 | 昭和37 | クレーン等安全規則、クレーン等構造規格制定 |
1962 | 昭和37 | JIS G 3534、亜鉛めっき鉄より線規格制定 |
1962 | 昭和37 | JIS G 3537、亜鉛めっき鋼より線規格制定 |
1964 | 昭和39 | 国立屋内総合競技場完成(大型つり屋根構造) |
1970 | 昭和45 | スチールラジアルタイヤ全盛に向かう |
1973 | 昭和48 | 関門橋竣工 |
1973 | 昭和48 | ロープ関係の最初の国際規格、ISO2408 (一般用ワイヤロープ−特性)発行 |
1976 | 昭和51 | クレーン等安全規則、クレーン等構造規格改訂 |
1977 | 昭和52 | JIS G 3540、操作用ワイヤロープ規格制定 |
1988 | 昭和63 | 瀬戸大橋開通 (長大つり橋3、斜張橋2、トラス橋1) |