「断線の廃棄基準について」の回答

Q:前回わかりやすい回答ありがとうございました。ロープの断線の点検でもうひとつ質問です。 1ピッチで総素線数の10%とありますが、1ストランドで何本断線していたら、廃棄した方がいいか教えてください。 6×24・6×37・IWRC6×Fi(29)の場合を宜しくお願いします。
A:1ストランドで何本断線していたらという規定はありません。
クレーン構造規格では、1より(1ピッチ)※1 で総素線数※2 の十パーセント以上の素線が切断していないこと。
ISO4309では、ロープの外層ストランドの素線本数に応じて、可視断線数が決められています。
※1 ストランドがロープの中心軸に対して1回転した距離
※2 フィラー線、IWRCなどの鋼心は除く
各構造の廃棄基準は次の通りです。

構造 クレーン等構造規格 ISO4309
総素線数 1ピッチ 6d 30d
6×24 144 14 6 13
6×37 222 22 10 19
IWRC 6×Fi(29) 132 13 6 11

6dとは、6×ロープの公称径、
30dとは、30×ロープの公称径。
クレーン構造規格は厚生労働省が規定しているもので、国の法律であり、絶対に守らなければいけないものです。

一よりの間において、素線(フィラ線を除く。以下この号において同じ。)の数の十パーセント以上の素線が切断していないこと。

クレーン構造規格/第5章 ワイヤロープ等/第54条 ワイヤロープより抜粋
ISO4309は、国際規格ですが、強制力はありません。
ISOでは、「可視断線数」を基準としています。
可視断線とは、外層ストランドの最外層素線をいいます。
(下図参照。赤丸部が可視断線部)
37haiki.jpg
日本クレーン協会の断線数は、ISO4309の数値を採用しているようです。
規格番号:ISO 4309:2004
標題:Cranes — Wire ropes — Care, maintenance, installation, examination and discard
標題仮訳:クレーン-ワイヤロープ-手入れ,保守,据付け,検査及び廃却
■関連リンク
日本クレーン協会/クレーンの知識/ワイヤロープの簡易点検
を参照してください。

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